DBJやBELSなど住宅関連の環境認証の効果

政府は温室効果ガス削減の目標値を、2030年までに46%(2013年比)、2050年までにカーボンニュートラルと設定し、住宅業界においてもより高度な環境対策を求められる時代となりました。これまでも、住宅に関する環境対策は打たれていて、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)などが知られています。 しかしながら、住宅開発や企業の広報担当者であれば、さらなる削減や他社との差別化を可能にする関連環境認証を押さえるべきです。これからの「脱炭素時代」というべき時代を生き残る企業となるために必要な環境認証を解説します。

「脱炭素時代」に必須の環境認証

環境認証とは、会社のCO2削減貢献度を示すためだけでなく、社会的に企業評価の基準として利用することが可能で、顧客に選ばれやすくなったり、投資対象として認識してもらうことが可能になります。

とくに重要なのは金融機関からの評価でしょう。環境対策の取り組みが浅い企業に対しては投融資を渋るようになってきてきます。その点でCO2削減の取り組みを客観的な評価で示すことができる環境認証は、信用度の向上に繋がります。

「脱炭素時代」にはこのような認証を受けることが、企業の大小に関わらず経済活動をするうえで必須条件になること必至です。

住宅や建築物に関わる各環境認証

DBJ Green Building 認証

DBJ Green Building 認証は、環境や社会に配慮されてあ不動産と、それを所有・運営する事業者を支援する認証制度です。主にすでに建てられた建築物において、下に紹介する点で改善されたことを評価するものです。

  • 建物の環境性能
  • テナント利用者の快適性
  • 多様性周辺環境への配慮
  • ステークホルダーとの協働
  • 危機に対する対応力

ここで肝になるのは「建物の環境性能」でしょう。冒頭で記述したように、政府が目標値を設定している脱炭素は、ずばりこれに当たります。その取り組みによって認証を受けることと脱炭素に対応することで、双方とも社会にアピールすることが可能になり、ESG投資の呼び込みなど資金調達も期待できます。

BELS

建築物省エネルギー性能表示制度(Building-Housing Energy-efficiency Labeling system/以下、BELS)は、省エネ法(正式名称:エネルギーの使用の合理化等に関する法律)において建物の性能を第三者機関に評価してもらい表示する制度です。評価されるのか以下の項目です。

  • 外皮性能
  • 一次エネルギー消費性能

「外皮」というのは建物の外壁・床・窓・屋根など、内部と外部を隔てるパーツの断熱性や気密性を指します。BELSではこれらの性能を数値化して表します。「一次エネルギー消費性能」とは冷暖房設備や換気、給湯、照明などのエネルギー消費性能を指します。これには基準値(BEI 1.0)が設けられ、それよりも性能が高いとランクが上がっていく仕組みになります。

一般家庭からのCO2排出量は意外に多く、温室効果ガス排出削減目標でも大きなウエイトをしめる項目のひとつです。そのため省エネ性の高い建物が求められており、BELS認証を受けることは社会的にも、生活ランニングコストを意識する購入者にもアピールすることができるでしょう。

eマーク (省エネ基準適合認定・表示制度)

eマークは、省エネ基準適合認定マークのことで、住宅やオフィスなどの既設建築物の改修などを行い、国が定めた基準を満たしたことを認定された証です。認定を受けると建築物や広告などに、eマークを掲示することが可能になります。

このマークの認定を受ける改修を行うと、CO2削減に貢献することが可能です。ある程度チック年数が経過した建物を改修する予定があるのなら、ぜひ認定を見据えた工事を検討しましょう。

CASBEE評価認証制度

この評価制度は、他の評価制度と大きく異なり第三者機関が認証するもので、他の評価制度よりも信憑性や透明性が高いと言われています。CASBEE建築とは省エネで環境負荷の少ない資材や設備を用いて、屋内の快適性や外観の景観配慮などを総合的に評価するものです。

環境対策用資金調達に用いられるグリーンボンドなどでは、企業が行う環境対策の透明性が求められる傾向が強くなりつつあります。その意味ではこのCASBEE評価認証は、前述の通り透明性の高いことから有効と言えます。

LCCM住宅認定

LCCMとは「Life Circle Carbon Minus」の略で、建築から居住、解体、廃棄において発生するCO2排出を極力抑え、さらに太陽光発電など再生可能エネルギーなどを利用し、住宅のライフサイクル全体でCO2排出量をマイナスにする取り組みです。

ほかの認証は住宅の省エネルギー化を促進し、居住時のCO2削減に寄与する取り組みですが、このLCCM住宅認証は、CO2排出量をトータルマイナスにすることをはっきりと明示したものが特筆すべき点です。

そのため政府が掲げる2050年カーボンニュートラル達成に向けた、住宅部門の促進力として期待されています。さらにそれ以前の、2030年46%削減目標達成に向けた、補助金の活性化にも期待したいところです。

適合する住宅を供給するビルダーには大きな負荷がかかることが想定されますが、この認証をとることで大きな宣伝効果を得ることができます。この認定を受けているビルダーはさほど多くないので、競合他社より先行すれば、大きく優位に立つことも可能です。

環境共生住宅認定

環境共生住宅とは、建物の省エネ効率だけでなく、周囲の環境との調和と維持を重視する点がほかの認証と異なります。「地球環境の保全」「周辺環境との親和」「健康で快適な居住環境」の3つを環境共生理念として置いています。

外交面積に準じて緑化比率や街並みへの景観配慮、日射による冬季の保温性確保や木陰による夏の遮光性確保など、地域や気候、自然環境に合わせたパッシブデザインを取り入れた住居を評価するものです。

認証取得の効果の最大化

ここまで紹介した認証制度は、各々特徴が違います。つまり自社で施工・販売する住居と認証制度が合致していないと、その効果を最大化出来ません。さらに認証は取得しただけでは効果を発揮せず、評価された基準を最大化できる高品質な住宅を提供し続けることが必要です。

例えば、LCCM住宅であればその住宅の所有者と末永くお取引がつづけられるような会社でないと意味がありません。なぜなら上述の通り、住宅のライフサイクルを通してカーボンマイナスを達成する必要があるからです。

自社の業態や提供できる住宅の強みに適した認証を選ぶことが、確実に効果を生む条件と言えます。環境貢献を確実に実行するには、しっかりと自社と認証の相性を判断しましょう。

環境認証は会社成長への武器になる

環境認証を得るための住宅開発は、高コストで手間のかかるものが多いです。ただ、ここから2030年、2050年と近づくにつれ、CO2削減の流れに伴ってその需要が高くなることは確実です。

住宅自体は少子化によって着工数が減ることが予測されています。今後、その流れに反して施工数を伸ばし、会社を成長させるには明確な環境貢献の姿勢が必要です。そのためには環境認証は大きなアピールになります。是非活用をしましょう。

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