マンションの環境性評価の詳細と取得のメリット

マンションの環境性評価の詳細と取得のメリット
マンションを建設する際に、今後何十年も運用することを考えると、このところ社会的に重要視されている環境への配慮を考えなければなりません。配慮するとなるとそれなりのコストを掛けて施工することになりますから、それなりのメリットを受けられなければ企業としては経営にも影響してきます。 そこでこの記事では、環境配慮型のマンションを建設したときに適用を受けることができる3つの「環境認証」をご紹介いたします。それぞれ利用できる場所や運用団体が異なるので、ご利用を検討の場合、事前にしっかりと確認をしておくといいでしょう。

マンション環境性能表示制度の詳細

まずはマンション環境性能表示制度からご紹介します。マンション環境性能表示制度は、東名阪エリアにある20以上の自治体が行っている制度で、ある規模以上(自治体により異なる)の新築マンションに対して「建築物環境計画書」の提出を義務付けている見返りに、広告などで環境性能を表示することを認可される制度です。

20以上ある自治体の代表例として、東京都・大阪府・愛知県を筆頭に、横浜・名古屋・大阪・京都・神戸の各市でも運用されています。

東京都を例にあげると、延面積2000㎡を超える新・増築で居住部延床面積が2000㎡以上のマンションが「建築物環境計画書」の提出を義務付けられています。その計画書をもとに、5項目に対して3段階で評価されます。

<評価される5項目>

  • (1)建築の断熱性:建築物外皮の熱負荷抑制
  • (2)設備の省エネ性:設備システムの高効率化
  • (3)再エネ設備・電気:再生可能エネルギーの変換利用、再生可能エネルギー電気の受入れ
  • (4)維持管理・劣化対策:維持管理、更新、改修、用途の変更等の自由度の確保、躯体の劣化対策
  • (5)緑化:緑の量の確保、高木等による緑化

東京都マンション環境性能表示制度の表示シール
画像出典:東京都環境局

CASBEE認証制度について

CASBEE(キャスビー)は一般社団法人 建築環境・省エネルギー機構は運用している建築物などの環境性能を、第三者に評価・審査させ性能認証を行っている制度です。「第三者機関」に評価・審査をさせている点が、ほかの認証制度にない特筆すべきポイントです。

第三者機関には「CASBEE評価員」がおり、正しく評価を実施できるように登録制となっています。この評価員制度の運用も一般社団法人 建築環境・省エネルギー機構が行っていますが、評価員になるためには受講と試験に合格が必要になる資格取得が必要なため、ほかの認証制度よりもより厳格であるといえます。

CASBEE評価員は現在全国で1万人あまりが登録しており、設計事務所や建設会社、不動産会社などで活躍しています。この資格を有すると評価業務のほかに認証制度への申請や自治体への届け、コンペティション参加の際の評価提出などが可能になります。

CASBEE認証制度は、上述の自治体のようにマンションだけではありません。4つのジャンルに分かれており、建築(新築・既存・改修、インテリアスペース、住戸ユニットの新築)、戸建(新築・既存、住戸ユニットの新築)、不動産、ウェルネスオフィス、それぞれで評価基準が異なります。マンション・アパートは建築に属します。

CASBEE認証制度の章表
画像出典: 一般社団法人 建築環境・省エネルギー機構

認証を取得するメリット

各認証を取得すると、広告や建物そのものに認証票を掲示することができ、信用性の向上を図ることことができるメリットがあります。このところ一般消費者にもSDGsの認知向上傾向が見られることや、環境へ配慮する必要性が浸透しているから、販売促進の面でも有効と言えるでしょう。賃貸物件/テナントビルであれば、賃料の単価を上げる好材料にもなります。

もうひとつは、金融機関の対応です。各建築物の環境性能を「見える化」してくれる環境性能認証ですから、SDGsやESG投資を促進する金融機関に対しては好材料になります。これは物件を購入する側にも、建設する施主にも言えることです。施主として環境認証を利用するのであれば、もうひとつ欠かせない認証制度があります。それはDBJ Green Building認証です。

DBJ Green Building認証について

DBJ Green Building認証(以下、DBJ GB認証)は、DBJ(日本政策投資銀行)が2011年4月から運用している認証制度で、2014年からは日本不動産研究所(以下、JREI)が共同認証体制を敷いています。

DBJでは、不動産市場と金融市場の架け橋として、認証物件と長期的な経済価値との相関に関する検証なども行っており、「環境・社会への配慮」された不動産評価される市場の形成を目指しています。DBJ GB認証もCASBEEと同じようにジャンル分けされています。GB認証は以下の4つです。

  • オフィスビル
  • ロジスティクス
  • リテール
  • レジデンス

認証実績は173社、902物件(2020年度末時点)にものぼり、野村不動産、住友不動産、東急不動産などの大手不動産のほか、積水ハウス・リート法人や日本ビルファンド投資法人などのJ−REITでも取得の動きが広がっています。

DBJ GB認証の評価概念は、正に上述のメリットで書いたSDGs/ESGの観点になります。

  • Energy & Resources(建物の環境性能=省エネ・再エネ・節水など)
  • Resilience(危機対応力=環境リスク対応・防災、防犯対策)
  • Partnership(ステークホルダーとの協働)
  • Community & Diversity(多様性・周辺環境への配慮=景観・利用者多様性・地域との関わり)
  • Amenity(利用者の快適性=設備仕様・環境・健康配慮)

これらの観点から総合的に評価をし認証を決定しています。DBJ GB認証も上述のメリットにありように金融機関の融資などに有利な材料となります。

注目すべきは「再エネ設備・再エネ由来の電力」

従来、エネルギー関連で優先されてきた項目は「省エネ性」でした。LED照明の導入やエレベーターの更新など、建物で使用される電力量を抑えることに重きをおいてきました。

しかしここで紹介した認証制度では「再エネ」利用を促進する項目が追加されています。上で提示した「マンション環境性能表示制度」の表示サンプルをご覧ください。東京都の表示に至っては「再エネ」ではなく「太陽光発電・太陽熱」と限定的に書かれています。

これは都市部の住宅地域には、風力や水力、地熱などの再エネ導入が不向き(環境的または性能的に不可能に近い)ことを示しています。つまりこの評価を受けるためには、太陽光発電をいずれかの形で導入するか、太陽光発電由来の電力を購入する前提でなければなりません。

再エネをどのように導入すればよいのか

太陽光発電由来の電力を導入するには、「敷地内(屋上など)に太陽光発電システムを設置(購入)する」「別の場所に太陽光発電所を設置(購入)する」「(ほかの再エネを含む)再エネ由来の電力を購入する」「通常通り電力を購入し、証書(原子力を含む非化石証書など)でオフセットする」のいずれかです。

当社が提供する「ソラシェアダイレクト」は「敷地内(屋上など)に太陽光発電システムを無償で設置する」オンサイトPPAと言われる方式です。初期費用がかからず、貴社敷地内に太陽光発電を導入することが可能です。

ただし、それぞれで適正が異なります。「ソラシェアダイレクト」を導入するのが適正の場合があれば、「再エネ由来の電力を購入する」ことが適正な場合もあります。それぞれの導入方法を吟味し、自社にあった導入方法を策定することが、環境性の評価取得のはじめの一歩になります。

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