環境変化対応と災害対策で「レジリエンス経営」を

環境変化対応と災害対策で「レジリエンス経営」を
ここ数年でよく聞くようになった言葉に「レジリエンス」があります。日本ではもともと心理学や物理学などで使われていた言葉ですが、昨今の自然災害の増加に伴い経済や経営の分野でも使われる様になりました。 勤務先もしくは経営している会社は、ふいにやってくる大地震や大型台風の風水害の影響でライフラインが停止しても、最低限の企業活動はできるようになっていますか? もし不安があるのであれば、すぐにでも対策に取り掛かるべきです。本記事では「レジリエンスとは」という解説から「企業活動に取り込む方法」を解説します。

レジリエンスとは

コロナウィルスのパンデミックをきっかけに注目度急上昇した、ビジネスにかかわる概念がいくつもあります。デジタル・トランスフォーメーション(DX)や非接触、サスティナビリティなどなど。「レジリエンス」もそのなかのひとつでしょう。

たとえコロナが収束したとしても、地球温暖化の影響で災害危機管理の意識は継続的に保持する必要があります。それがレジリエンスです。レジリエンスとは元来「弾力(強靭さ)・復元力・回復力」などの意味で使われている英語で、冒頭で述べたように物理学や医学、心理学などでよく使われています。

そこから世界的に環境問題や気候変動問題が吹き出てきたころから、それらの問題にも使用されるようになりました。この場合も「弾力(強靭さ)・復元力・回復力」は適用されますが、主に「弾力(強靭さ)」が的を射た和訳でしょう。

風水害や大震災など自然の猛威に直面したときなど、酷い状況下でも靭やかに適応して生き延びる力、それがレジリエンスです。

日本企業によるレジリエンスの好例

風水害や大震災などとは違いますが、このコロナ禍において旅行業界や外食産業は世界的に大きな打撃を受けました。そのなかでも日本において2020年通期で前年比11.8%増の売上高を記録した会社があります。それが日本KFCホールディングスです。

KFCと略されるほど有名なフライドチキンのケンタッキーですが、ファストフード店であるがため「基本形は来店・対面販売」でした。しかし早くから「中食(お持ち帰り)」を強化し転換したことと、非接触販売も強化をしたことで、コロナ禍でも売上を伸ばすことが出来ました。これこそ「酷い状況下でも靭やかに適応して生き延びる力」=レジリエンスの好例です。

企業活動に必要なレジリエンス対策

90年代くらいまでは「10年ひと昔」などと言われることが多かったですが、21世紀に入り、技術革新や世界情勢が目まぐるしく変化するようになり「ひと昔」が5年になり、3年になり、どんどんと短くなっています。

それだけ変化の激しい時代だからこそ、企業活動にもレジリエンスは欠かせません。では具体的になにを通り入れればよいのか、環境の変化や災害に強い企業体質にするにはどうすればよいかを解説します。

複数テーマの緊急事態対策を準備

レジリエンス経営で重要なことは、一定確率で起こる可能性があることに対しては、「起こる」想定で対策をねることが必須です。たとえば避難訓練など、地震や火災を想定している企業は多くあります。

では、昨今増加している風水害に対してはどうでしょうか。噴火や感染症、大寒波などまで想定している企業は少ないでしょう。このように対象テーマを拡大して、対策立案、テスト、問題点の改善を行うのが理想です。

自家消費用太陽光発電システムを導入する

ここ数年来、全国で風水害とくに台風の被害規模が増大して、大規模停電が頻発しています。どんな場所でもいつ停電が起きてもおかしくありません。台風だけでなく2020年のような大寒波や毎年やってくる猛暑では、電力事情もひっ迫し停電の危険もはらんでいます。

その対策としては、自家発電システムの導入が対応策になります。自社社屋や工場の屋根に太陽光発電システムを導入し、そこで発電した電力を自家消費する仕組みを準備することで、緊急時の電源確保になりますし、平常時でも利用できるので電気代の削減やCO2排出量削減にも貢献できます。

ただし、ただ単に導入を推し進めることはおすすめ出来ません。事前に事業活動に必要な裁定電力などの指標となる数字を把握することが大切です。緊急時に電力を必要する部門や設備が、どれだけの電力を必要とするのかを把握せずに設置してから、電力が足りなかったとなるのは、時間も費用も無駄になってしまいます。

複数拠点で活動可能な業務配分をする

企業としては、同じ業務は同一拠点で行うことが高効率で良いとされてきましたが、レジリエンス対策としては、必ずしもそれが良策とは言えません。たとえ無駄があったとしても、災害に強い組織の設計が必要になります。

効率性重視の場合、通常であれば本社機能と支店機能は切り分けられていることが多いです。しかし本社が被災した場合は、下手をすると企業の全機能が機能不全に陥ることも考えられます。

そのような自体に陥らないためにも、企業としての必要最低限の機能は、たとえ無駄があるとしても、トレースをして本社が被災しても機能するよう設計を見直すことが必要です。

レジリエンスはSDGsと同列の優先課題

脱炭素や再エネ導入の記事でそれらは経営課題であると記しましたが、レジリエンスも同等の優先課題です。これは会社の存続を左右するという点で、同列に扱うべきです。とくに脱炭素とレジリエンスの両方に紐付いている「再エネ導入」は、肝になるのは間違いありません。

社会的に安定していた時代は、CSRやEGS投資対策など会社の余力で進めるケースも多かったですし、大企業だけの課題とされていたました。しかし今この時代、脱炭素もレジリエンスも再エネ導入も、企業規模に関わらず喫緊の課題と言えます。包括的に言えば社会のサステナビリティに取り組むことは、会社のサステナビリティになります。全社で共通認識を持ち、課題解決に取り組みましょう。

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