2030年までに46%削減目標のCO2対策〜対処しないとどうなるか

2030年までに46%削減目標のCO2対策〜対処しないとどうなるか
環境対策担当者の方は、脳裏に焼き付いているであろう「2030年までにCO2 46%削減目標」。残された時間も限りがあるなかで、もちろん対策に動いておられると思います。もしまだという企業様に、対処しないとどうなるか、今からできる対処の2方向でご説明いたします。

今からでもCO2対策を!

「政府がCO2削減量を上方修正し、企業に影響することと指針予測」でもご説明していますが、2030年までの46%削減目標は、政府や官公庁、大企業だけでなく、中小企業までも対策を求められることはほぼ確実です。それは元来目標値だった26%から20%も上積みしたことも影響しています。

「温室効果ガス対策は大企業が対策すればよい」「中小企業の我が社にはそんな余裕はない」と対応を放置していると、思わぬデメリットを被ることになります。

サプライチェーンから外されてしまう

中小企業のなかには、大企業のサプライチェーンとして契約を取り交わしている企業も多くあると思います。契約先の大企業は、CO2削減に取り組んでいる場合、多くのサプライチェーンは同じくCO2削減目標の共有が図られ、取り組むことを求められます。

実際に国内外の大手企業がサプライチェーンにもCO2排出削減や再生可能エネルギーの導入などを求めています。日本でも知らない人はいない米国の「Apple」は、自社管轄の施設については全世界で再生可能エネルギー100%を達成し、現在はサプライヤーや入居するテナントビルなどにも再生可能エネルギーの導入推進を行っています。日本では新宿と銀座の「Apple Store」が再生可能エネルギー100%に切り替わっています。

「Apple」のように多くのサプライヤーを抱える大企業は、国からさらに削減することを求められる可能性大です。そうすれば中小企業といえども、CO2削減に取り組む必要があります。もし対処しないのであれば、大手サプライチェーンから外されてしまうでしょう。

資金繰りが難しくなる

CO2削減に対して行動が不足している企業や逆行している企業は、機関投資家や金融業界から資金が集めにくくなっています。2030年のCO2排出量46%削減や世界的目標としての2050年SDGs達成などを、企業の価値のメジャーにする動きが増えています。

「SDGs ESG投資の基本」でご説明した、ダイベストメント(ESG投資の観点から投融資の撤退をすること)を受けている企業は、業績の悪い企業だからと理由で撤退されているわけではありません。環境対策やSDGsの観点から投融資を引き上げられてしまっているのです。

今後は、国の指針が明確であるCO2削減に対して、行動が不足している企業は投資家からも銀行などからも資金調達が難しくなっていくことが考えられます。これはメガバンク3行だけでなく、SDGsの意欲が高い地銀などにも言えることです。

しっかり対処するとどんなメリットがあるのか

対応しないデメリットがあれば、対応したあとのメリットもあります。

エネルギーコストとリスクへッシが可能

O2削減で再生可能エネルギーや省エネ設備の導入をすることで、最大のメリットはエネルギーコストの軽減です。例えばLED照明を導入した場合、環境ビジネスオンラインによれば、初期投資にかかる時間は4年から4年半と計算されることが多く、LEDの定格寿命4万時間から算出すると、交換なしで10年以上利用できると試算されている。これは、通常の蛍光灯よりも交換コストやエネルギーコストが抑えられる好例です。

再生可能エネルギーの活用には、再エネ由来の電気を買い入れる場合と、自社に発電所を設置する場合の2パターンが考えられます。電気の買い入れで対応する場合は、利用中の電力会社が「非化石証書」の活用などをしているかを確認する必要があります。非化石証書の取扱があれば、相応額を支払えばカーボン・オフセットが可能です。

太陽光発電などの設備を導入する場合は、初期費用がかかるパターンとかからないパターンがあることを押さえておく必要があります。発電した電気は自家消費になるので、どちらのパターンでも電気代をおさえながらCO2排出削減にも大きく貢献できるシナジーを生む点が、多くの企業が注目している点です。

また再生可能エネルギー導入時に、自社物件内(オンサイト)に太陽光発電所などを設置する場合は、非常用電源としても利用も見込め、BCP対策としても活用することが可能です。

企業イメージや企業価値の向上

上述の「ダイベストメント」とは逆に、CO2排出量やSDGsに関わる対策に積極的な企業は、企業イメージの向上に繋がります。企業イメージの向上は、一般消費者だけでなく投資家や金融業界からの評価が高くなるため、資金調達などに好影響を与えます。

ほかにも新卒・既卒採用の人材の質向上や、従業員の意識改革なども企業価値向上から副次的に発生するメリットと言えます。

RE:Actionに注目する

再エネ電源100%を目指す世界的イニシアチブ「RE100」は大企業であることが前提なのは別の記事でご説明しましたが、中小企業でも参加できるイニシアチブがあります。それが「RE:Action」です。

「RE:Action」は国内版RE100ともいえる仕組みで、「再エネ100宣言 RE Action協議会」が主催しています。その協議会のなかにはRE100の日本側窓口を担っているJCLPも参加しています。

RE:ActionではCO2削減への取り組みを表明し、再エネ総電力消費量を毎年報告するため、社会的評価向上に効果があります。さらにRE:Actionのような取り組みが政府や業界団体から求められる可能性もあるでしょう。

再生可能エネルギーへの取り組み事例

ここではRE:Actionに参画している企業の再エネ運用事例を紹介いたします。大企業やサプライチェーンでない会社でも、以下のような取り組みを実施しているということを認知して、ぜひ貴社の取り組みの参考にしてください。

エコワークス株式会社

エコワークス株式会社は福岡を中心にエコ住宅の建築やリノベーションを行う会社です。同社では、事業所やモデルハウスで使用する電力を非化石証書を活用した再エネ100%プランを契約。さらにモデルハウスには太陽光発電システムを設置し、売電も行っている。同社では、再エネ電力切り替え前と後では同程度のコストと試算している。

山田建設株式会社

山形県最上郡にある建設会社で、築堤や護岸復旧工事など公共性の高い土木に携わっている会社です。同社では、敷地内に太陽光発電システムを設置し自家消費をするとともに、日産自動車の電気自動車「リーフ」を導入しV2H(車から家屋への充電システム)を利用して、昼夜太陽光発電由来の電力を使用できるように構築している。

さらにJクレジットを活用に、事業所。建設現場の電力について、再エネ100%化を実施し、脱炭素経営を実現した。

まだ対策をはじめていない企業が早急に取るべき方法

上述したRE:Actionの事例のように、多くの企業のCO2削減には再生可能エネルギー、とくに太陽光発電の事例が目立ちます。これは、近年普及率があがり、設備投資費用の低廉化と高性能化が同時に起きているからです。

また、ほかの再生可能エネルギーの発電所を保有しようとすると、建設できる場所が制限されたり建設に要する時間が長かったりと、この10年以内に結果を出すためには不向きであるという理由もあります。

同時に2021年7月16日には日銀の「貸出促進付利制度」のうち利息が0%のカテゴリーに、民間の気候変動対応を支援するための資金供給が組み入れられました。これにより、金融機関からの融資に拍車もかかるものと考えられます。

また借り入れをせずに太陽光発電システムを導入することができる「オンサイトPPA」と呼ばれる方式も検討するべきでしょう。この方式であれば設置場所を提供する変わりに太陽光発電システムは無償設置され、将来的に自社保有の発電所することが可能です。「ソラシェアダイレクト」はこの「オンサイトPPA」にあたります。

企業存続には必要なCO2削減対策

社会の潮流に敏感な企業はこれらの対策を先行しています。これからとりかかるという企業は、いかに迅速に効果のある対策を打ち出せるかが鍵になるということです。他社から追随されるような施策を実行できれば、CSRの向上だけでなく、新たな取引や投資の誘致が可能になります。企業の存続だけでなく成長のために、再エネの導入を可能な限り早く検討してください。

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